タカハシ



生活の三要素(衣・食・住)のうち、住を除いた部分の利便性を考えた場合、高齢者をテーマにしたこのプロジェクトの様な施設に付随する商業施設は、介護ショップや高齢者グッズになりがちです。扱い品目も固定し、その結果もっとカラフルに、もっと使いやすく、もっと若々しく、もっとおいしくという様な要望を満たすことが出来ないという閉塞感が伴います。公団住宅に見られるような居住施設に付随する品揃え施設としての小規模商業施設と同じように衰退する運命にあるといえます
 日常の生活を“ケ”とすれば、お祭りや行事(イベント)や買い物といった“ハレ”の部分をどう演出して心理的なワクワク感を引き出すかが、高齢者の生きがいに大きな影響を与えると思われます。
 有名な“市場”やショッピングモールを例に出すまでも無く、ワイワイ、ガヤガヤと賑わう
商業施設はいずれも“ある猥雑さ”を、持っています。その活力は単一メニューの品揃え施設では決して生みだせず、多様な思惑の集合体による魅力によって生み出されるといえます。
 日常の“ケ”の部分の利便性や節目節目の“ハレ”のシーンの場としていつまでも懐かしく残る心象風景の1ページを飾るものとしてこの商業施設をデザインしました。




コメント

いろいろな店が集まって賑わうためには、たくさんのお客さんが必要ですよね?

普通、施設に付随した商業施設は施設全体の中央部に配置して施設全体の利便性を第一に考えがちですが、この施設は外部からのアプローチを優先に考えています。いってみれば周囲のある程度の広さの地域の暮らしを巻き込んだ地域全体のコレクティブ(共有、共用)な施設として位置づけています。
ですから生涯学習モールも当然の様に周囲の地域の人達に参画してもらう事が前提です。

いろいろな店があるのは高齢者にとって物を探すのが大変じゃないですか?

買い物は日常生活の中の小さな“ハレ”の部分です。物を選んで買うことによって生活が変わるような小さな胸のトキメキが必要なんです。
介護用品や高齢者グッズを中心とした店では味わえない刺激が必要なんです。例えば靴を買うときは若い人向けのデザインのものを手にとって見てこれは重いからもう少し軽いやつとか、もう少し紐が結び易いやつとかチャックで簡単に開閉できるやつとか、もっとカラフルなやつといった様に混在した中から選ぶことが出来るのが楽しみなんです。

人が大勢集まればたしかに賑やかだけど、高齢者にはうるさいだろうし、この場所に来るのがわずらわしくならないですか?

一人で暮らしていたり、いつも同じメンバーで集ったりしていると、どうしても着る物には気を使わなくなるし、刺激が無く面白くも無い。
大勢の人がいるところにいくには身だしなみも整えるし、化粧もするでしょう。そういう気持ちの切替えが日常に変化を与えていくと思います。

いろんな人が来れば子供や若者なんかもいるわけで高齢者にとっては邪魔なんじゃないんですか?

子供が遊んだり、若者がふざけあったりするのを見る事は、自分の昔を思い出したり懐かしんだりすると同時に、様々な暮らしの中にある有形無形の文化みたいなものが受け継がれているのを見届けながら、人生の終盤を迎えることに意味があると思います。

2階にある飲食物販モールにはどんな店があるんですか?

ラーメン屋、洋食屋、ケーキ屋、うどん屋、蕎麦屋等が種々雑多に渾然として猥雑さが演出できればいいなと考えています。当然、高齢者向けメニューをそろえている事も必要です。
食欲は欲望の中で人生の最後まで持ち続けるものだし、食べることは健康の源だと思います。
食べたいものをがまんするのは良くないことですね!
1階のスーパーで食材を買って自分で作って食べることを“内食(うちしょく)”、お惣菜売り場で買ってきて食べるのを“中食(なかしょく)”とすれば、お店で食べる外食はいわば“ハレ”に当たります。この“ハレ”の部分を演出するのが猥雑さだと思うんです。

コメントを投稿

 

 

 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

 

07/02/07
トップページをテス44トアップしました。
07/02/00
○○○○のページをアップしました。
07/02/07
トップページをテス44トアップしました。
07/02/00
○○○○のページをアップしました。
Copyright 2007.
huon.LLP. All Rights Reserved.